ブルーベリーは、家庭菜園でも人気の高い果樹です。甘酸っぱい実をたくさん収穫するためには、適切な剪定が欠かせません。この記事では、初心者でも簡単に取り組めるブルーベリーの剪定時期と方法について、わかりやすく解説します。
剪定の重要性とは?
ブルーベリーの剪定は、果実の品質や収量を高めるために重要です。また、樹木の健康を保つ役割もあります。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 枝の混み合いを解消し、風通しと日当たりを良くする。
- 病害虫の発生を抑える。
- 花付きや実付きが良くなる。
- 庭の景観を美しく保つ。
これらの効果を得るためには、剪定の時期と方法を正しく理解することが重要です。
剪定の適切な時期
ブルーベリーは、今年伸びた短い枝先に、8から9月に花芽が分化(花になる細胞が決まること)し、翌春に開花し実が成ります。よって、花芽が分化した後に枝先を切り落とすと、花が咲かなくなってしまいます。そうなると当然実も付かなくなります。この性質を踏まえてブルーベリーの剪定は、主に以下の2つの時期に分けられます。
- 冬の剪(1月–3月)
冬の剪定は休眠期に行います。この時期は葉が落ち、枝の構造がはっきり見えるため、形を整えやすいのが特徴です。特に夏期に花芽が分化した枝先には蕾が見える状態です。この時期の剪定は、花芽を確保しながら不要な枝を取り除くのに最適なタイミングです。また、古くなった枝は花付きが悪く、新しい枝の生長の妨げとなるため、根元から切除してしまいます。これは更新作業と言います。更新作業をすることで、常に新しい元気な枝に花を咲かせることができます。 - 花後の剪定(6月–7月)
花が終わった直後に行う剪定は、春先に伸びすぎた徒長枝を切り詰めるために効果的です。徒長枝は、春先に勢いよく伸びた長い枝です。徒長枝は枝先をとめて、横枝が出るのを促します。横枝が多いほどたくさんの花が付くことができますので、その準備となります。
剪定の手順
剪定を始める前に、必要な道具を準備しましょう。剪定ばさみ、ノコギリ、手袋、消毒用アルコールなどがあると便利です。
- 枯れ枝や病害枝の除去 まずは枯れた枝や病害虫に侵された枝を取り除きます。これにより、樹木の健康を守ると同時に、次の作業がしやすくなります。
- 不要な枝の選別
- 細すぎる枝: 果実を支えられない枝。交差枝: 他の枝と交差している枝。下向き枝: 地面に向かって伸びる枝。
- 形を整える剪定 樹形を美しく保つため、伸びすぎた枝やバランスの悪い部分を切り戻します。この際、全体のバランスを見ながら、少しずつ調整することがポイントです。
剪定の注意点
初心者が剪定を行う際、以下のポイントに注意してください。
- やりすぎに注意: 一度に大量の枝を切りすぎると、樹木に負担がかかるため、毎年少しずつ剪定するのが理想的です。
- 適切な道具の使用: 鋭利で清潔な道具を使うことで、樹木へのダメージを最小限に抑えられます。
- 剪定後のケア: 剪定後は肥料を与え、水やりを適切に行い、樹木の回復をサポートしましょう。
ブルーベリーは、正しい剪定を行うことで、花付きと実付きをよくすることができます。しかし、剪定だけでは、樹勢が衰えてしまいますので、同時に施肥も必ず行いましょう。樹勢が正常であるからこそ、長く元気に花と実を得ることができます。また、著しく害虫被害にあると、樹勢が衰えてしまいます。薬剤散布による害虫駆除作業もおろそかにしないようにすることが肝要です。適切な剪定と維持管理によって、季節ごとの変化を楽しみながら、実りの恩恵を最大限活用しましょう。
【参考資料】
落葉樹・常緑樹の整枝と剪定 監修者川原田邦彦 発行者永岡修一 株式会社永岡書店 2004.2.10
庭木の維持管理について詳しくは【サッパリーズ】までお問い合わせください。
庭木の樹勢診断について詳しくは【タケダ樹木クリニック】までお問い合わせください。
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