先代から受け継いだ和風庭園が、現在のライフスタイルに合わなくなり、処分したいというご要望は非常に多くなりました。いくつか方法について提示します。
庭石によっては買取も・・・
庭石は日本各地で昔から産出されて、場所によって色や材質に特色があり、特に特色のあるものは地名で石を呼んでいます。有名なのは神戸の本御影(ほんみかげ)や鳥取の佐治川石(さじかわいし)、京都の鞍馬石(くらまいし)などがあります。
上記のような庭石は、当然に川や山から専門の業者が引き上げたり掘り起こしたりして集め、そして、全国から買いに来た石問屋さんとか造園業者さんとかに販売されていました。
いました…というのは、明治から昭和の日本庭園ブームの時代に特に盛んだったからです。
昭和の巨匠重森三玲さんは、徳島の青石を非常に好んで使用し、石山ごと契約していたという話も聞きます。
庭を作庭する庭師からすると、庭の顔である石の色や形は、庭づくりの胆であり、最も重要視するところなのです。
庭木は年月が経てば生長してその形は変わっていきますが、庭石は何百年たっても変わりませんからね。庭の骨格ともいうべき存在なんですね。
余談ですが、名園の遺構を見ても、残っているのは当然庭石と地割(地面の区分け)なんですね。そこからかつての姿を創造するわけですが、やはり庭石の使い方がその庭園の意味を浮かび上がらせてくれるのです。
そんなわけで、人気のある庭石はどんどん産出されていた時代もありましたが、自然の破壊にもつながるのでしょう、もう庭石を山や川からとってはいけませんと、規制がかかるようにまりました。
すると、ますます、人気の庭石は求められるようになり、高級になっていったのですね。
そのような背景から、現在でも庭石によっては、求められるものもあるわけです。業者さんによっては、ぜひ欲しいという石もあるわけです。
ただ、自宅の庭石が何処の石なのかわかりません~っていうのが普通ですよね。当然です。なので、まずは、近くの造園業者さんに聞いてみることがおススメなのですが、貴重な庭石をつかっている可能性の高いであろう見分け方をご紹介しておきます。あくまでも参考程度に・・・
庭全体の石の色が揃っている…
いろんな色の石を使っているのではなくて、庭全体が一つの材質の石に統一されているということです。これは石にこだわって産地から取り寄せた可能性が高くなります。
庭石が組んであり、意味がありそう…
庭石の特徴を最大限発揮するのは、石と石をいくつか組み合わせて一体化させることです。その技術は造園技術として長い歴史があります。石を組むと際には材質にもこだわります。
近くに有名な石の産地がある…
石は非常に重いですよね。ですから、なるべく近くから運びたいものです。先ほどの青石を使った庭はやはり、徳島には多いわけです。近くに有名な石の産地があれば、そこの石を使う可能性も高いでしょう。
昭和の時代につくられている…
一概には言えませんが、昭和の時代には重機が発達して重い石を遠くまで運べるようになりました。また、経済成長のおかげで、大変高額な庭づくりも一般の家庭で可能となりました。全国で庭づくりブームが始まったわけです。そうなると競うようにして立派な石を買い求めたわけです。
他の使い道はないかプロに相談・・・
和風庭園の庭石としては不要になったけど、他に使い道はないだろうかという視点でプロに相談してみるのもありですね。
例えば、椅子のようにして使ったり、土留めとして使ったりできるかもしれません。また、真っ二つに割って、ライトアップするとお洒落なモニュメントに変身できるかも・・
新しく生まれ変わったお庭のデザインの一部として利用もできれば、先代が大金で購入した庭石を継承していけるかもしれませんね。
業者に依頼して撤去・・・
買取もできなかった。再利用もできなかったとなれば、最終手段として撤去処分となります。撤去処分は専門業者に依頼するしかないわけですが、まずは運びだすのにクレーンなどの重機が必要な上、処分場も専門の場所となるのでどうしてもお金がかかります。
今の時代捨てることにお金がかかります。庭石も同様なのです。特に庭石は捨てる場所まで運ぶことにお金がかかりますね。
なお、石の撤去処分の価格は業者によって全く違いますので、近くの業者に聞いてみましょう。
もし、建物も一緒に解体するのであれば、解体業者さんに庭石も一緒に撤去してもらうと、重機も一緒に使えるし、効率もいいのでお得になろうかと思います。
しかし、庭石だけを撤去したい。とくに狭いところを通らないといけない・・・という場合は庭石の扱いになれた造園業者さんがいいかもしれません。
ちなみに、弊社では、狭い場所では庭石をその場で割って出すこともあります。
あと、時期的にではありますが、キャンペーンを開催してお安く撤去できることもあります。
キャンペーンは重機や職人の動きがとまりがちな冬期が多いですので、その時期を狙うのもいいでしょう。
やってはいけない、埋めてしまうという選択
撤去にはお金がかかるから、いっそのこと埋めてしまえ!ということで、本当に埋めてしまわれる方もいます。しかし、これは危険です。
危険というのは、未来永劫埋めた場所を活用しないのであればいいですが、行く先々に、建物を建てたり、畑にしたりなど、活用する可能性は当然ありますよね。その際に、埋めた石が問題になるわけです。特に建物を建てる際には、基礎が必要ですが、基礎をつくるには埋めた石は邪魔です。
埋めた石を掘り起こして撤去するのは非常に不効率ですから、撤去費用は高くなるでしょう。それに、埋めたことを知らない場合、工事の途中で撤去の必要性が突然と湧いて出るわけですから、さらに厄介です。
よって、埋めるという選択はするべきではないでしょう。
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