庭木を植えると多くの場合は支柱を設置します。支柱はもちろん庭木が倒れないように支えているわけですが、いつまで支柱が必要なのでしょうか。
支柱にも役割が大きく分けて2つあり、それぞれいつまで必要かについても違います。
支柱の役割と必要期間について見ていきましょう。
生長するまで支える役割
支柱の役割の1つ目が、植栽したあとに、根が伸びて自分の体を支えることができるまでの間限定で設置する支柱です。
植栽後庭木が順調に生長すれば、大体3年程度で体を支えられる根が伸長します。そうすると、支柱は役割がいらなくなります。樹種にもよりますが、大体3年で支柱は不要になり撤去すると考えていいでしょう。
ただし、支柱が本当に不要かどうかは、風当たりや土壌の状態によって左右されますので、庭木を揺らして根がしっかりと支えているかどうかをチェックしてから行うのがよいでしょう。
では、3年後に支柱の撤去を検討すればよいということになるわけですが、実は、そうでもありません。
支柱は通常杉の木でつくられていて、防虫処理がしてあるので、簡単には腐りません。近年は処理能力が上がり、10年くらい平気で腐らないことも多くなりました。しかし、支柱と庭木を繋げているのはシュロ縄という植物由来の縄です。シュロ縄は1年程度で朽ちてしまいます。シュロ縄が朽ちてしまうと、支柱が自立して立っているだけとなり、庭木を支えることができません。つまり、意味がありません。
ということで、1年に1度のシュロ縄でのくくり直しをする必要があります。
だったら、腐らない縄でくくっておけばいいじゃないか。と考えられる方もいますが、これは問題が起きてしまいます。これについては後述します。
延命のために支える役割
庭木は生長とともに枝葉を大きく茂らせ大木となっていきます。しかし、永遠に元気でいるわけではなく、人間と同じで寿命があります。寿命が近くなると徐々に弱っていき、自分の力では枝を支えることが出来なくなってしまいます。大きくなりすぎた枝を支えられなくなったり、部分的に幹が腐ってしまったために体全体を支えられなくなったりします。
そこで、支柱をして枝が折れたり、倒れたりしないように支えることで、庭木がより長く生きることを助けるわけです。
自然の森では、支柱をしないので、古くなった木は折れたり朽ちたりして土に還ります。そして、新たにその土の上に若葉が出て命が循環して行きます。
しかし、庭木は、1本の木を大事に時間をかけて美しい樹形に仕上げています。特に日本庭園の庭木は芸術作品です。よって、少しでも長く生きてほしいという日本人に庭木に対する心が支柱の技術を発展させていったのです。
この延命のための支柱も生長のための支柱同様に毎年シュロ縄のくくり直しが必要です。特に延命のための支柱はシュロ縄が朽ちてしまうと、すぐに枝折れや倒木の発生に結び付くので、早めの点検と補修が欠かせません。
支柱を放っておくと生長を阻害する
生長するまで支える役割の支柱は順調にいけば、3年程度で不要になると説明しました。では、そのまま放っておくとどうなるでしょうか。
実は5年や10年支柱は腐らず残ってしまい、庭木に非常に有害になってしまいます。支えるはずの支柱が、庭木の生長を阻害して、場合によっては庭木の倒木を招く恐れがあります。
それは何故でしょうか。それは庭木の特殊な性質によるものなのです。
庭木は、石などの障害物に接すると、生長の過程において、障害物を巻き込むようにして肥大化していきます。
よって、支柱が残っていると、支柱を巻き込んでしまいます。街路樹などでよくみられる光景です。そうすると、巻き込んだ部分は物理的に弱くなりますので、強風や台風などの力が加わると、そこで簡単に折れてしまいます。
樹木は円柱の柱のような幹をしているので物理的に非常に強い強度がだせます。その円形の一部に傷が入った状態になると、逆にその部分は非常に弱くなるわけです。一見すると支柱を飲み込んだ街路樹は、別段弱そうに見えません。むしろ飲み込むくらい生長しているので旺盛に見えます。しかし、実態は、支柱を飲み込んだ街路樹や庭木は、いつ倒木してもおかしくありません。非常に危険な木となるのです。
支柱の役割を知っていれば、いつまで支柱が必要なのかを知ることができます。また、メンテナンスも定期的に行う必要があります。
同時に、不要な支柱は早急に撤去する必要がありますね。支柱が凶器ともなり得るからです。出雲市、松江市、大田市、雲南市でも風の強い場所が多いので、支柱が欠かせません。支柱の扱いにも目を向けてみましょう。支柱の扱いに困ったら専門業者に相談しましょう。
ご質問、相談ご希望の方はこちらから!