松の葉が凄く少ないですが、何が原因ですか?

 5月の出雲市内からのご相談ですが、この時期はクロマツの新しい新芽がこれから出てくる時期です。健全であれば、昨年に展開した葉が残り、新しく今年出てきた新芽とが両方存在する時期ですね。
 しかし、写真では、クロマツの葉が非常に短く、だいたい2センチ程度でしょうか、ところどころ茶色の葉が引っ掛かっているような状況です。見るからに葉が短くて少ない状態だということが分かります。

 この葉が少なくっている原因は、写真中央に写っている毛虫が食害したことです。黒い5cm程度のこの毛虫は、クロマツやヒマラヤスギを好んで食害するガの幼虫で、マツカレハと呼ばれます。
 それでは、マツカレハについて見ていきましょう。

マツカレハとは

 マツカレハは、幼虫の状態で越冬し、6月頃に蛹になります。通常は年に1回発生します。雌の成虫は、新葉に100~300個の卵を産み付けます。松葉の間に小さな緑色の粒が沢山あれば、それは卵の可能性が高いです。
 幼虫の体長は7㎝以上になり、背面には銀色~金色、胸部の背面には黒色の長い毛があり、針状の毒毛も密生します。成虫は淡褐色~暗褐色で、雌の開張は9㎝をこえます。幼虫も成虫もかなり大きいですね。

マツカレハの被害とは

 まず、今回のように幼虫が葉を食害します。写真には1匹しか映っていませんが、卵が100~300個産み付けられることからわかるように、幼虫も1匹見つけたら、実際はかなりの量が存在すると考えた方がいいでしょう。幼虫も小さいときは集団で行動し、食害も針葉の片側だけを摂食するため、部分的に葉が褐変します。幼虫は集団で発生する上に、大きくなるにつれて食害する量がどんどん増えていきますので、短期間で葉が大きな被害を受けます。気づいたらほとんど葉がなくなってしまったというような、状況になることが多いです。
 ただ、幼虫や繭には毒針毛があるため、不用意に触らないよう注意が必要です。

マツカレハ被害への対処

 卵や幼齢幼虫の集団、繭を見つけたら、枝ごと剪定処分します。しかし、多発した場合や、特にクロマツは大切な枝を切除したくない場合も多々あります。その際は、薬剤散布を行います。薬剤については、登録のある殺虫剤を使用しましょう。
 5月頃に発生しますので、毎年この頃には葉の様子を見てみましょう。発見が早ければ早いほど対策ができます。葉が食害されつくしてしまうと、特にクロマツは枝が枯れてしまう可能性が高くなります。大切なクロマツを守るためにも、できるだけ木の様子を確認しましょう。
 島根県出雲市内での発生でしたが、松江市や大田市でも同様に発生していますので、ご自宅にクロマツやヒマラヤスギをお持ちの方は、是非この機会に木の様子を確認して見ましょう。


【参考資料】
花木・鑑賞緑化樹木の病害虫診断図鑑 第Ⅱ巻 害虫編 竹内浩二 近岡一郎 堀江博道
一般財団法人農林産業研究所 2020.9.11

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