大切なオリーブが突然枯れ始めたのは何故?

 オリーブの木は令和の前から非常に人気となり、あちこちで庭木に使われるようになりました。青白い細い葉が地中海を思わせ、ドライガーデンに欠かせない庭木となっています。そんな人気のオリーブが、突然枯れ始める現象が起きています。それも生垣が全滅するほど、スピードも早くて気づいた時には手遅れとなることが度々起きています。
 そもそも、オリーブはずいぶん昔から緑化木としては使われていた木です。とても丈夫で、ほとんど病害虫に晒されることはないと言われ、育てやすい木として知られていました。それが、急に枯れ始めたことで驚く方も多いのではないでしょうか。
 いったい何が原因なのでしょうか。オリーブの突然の枯れについて解説していきましょう。

犯人はこの虫だった

 被害にあったオリーブをよく見ると、幹のあちこちに5㎜程度の小さな穴があいています。場合によっては1本に20個所以上も穴がいていることがあります。
 これは虫があけた穴です。その虫は「オリーブアナアキゾウムシ」と言います。
 オリーブアナアキゾウムシは幼虫・成虫で越冬し、年に1世代を経過しますが、成虫は2~4年間生存します。5月頃までに孵化した成虫は、7月頃までに成虫になりますが、秋季に孵化した場合は幼虫で越年するなど、発生は不斉一となります。雌成虫は樹皮に穴を空け、そこに1粒ずつ産卵して、その上を糞状物や樹皮細片などで被います。生涯に200個程度の卵を産みます。幼虫は、樹皮下に穿孔し、ふつうは形成層・辺材部を食害しますが、心材部や根系いまで及ぶこともあります。
 つまり、春頃から成虫がオリーブに傷をつけて卵を産み付け、その後孵化した幼虫がオリーブの幹をかじりながら穴を空けてしまうのです。そして、その数は多数で、1本の木に何匹ものオリーブアナアキゾウムシが食い荒らすということです。本の小さな穴からも想像出るように幼虫はたったの15ミリほどの小さなものです。しかし、食欲旺盛なのか、オリーブの幹深くまで食い進み、わずかな間に枯死させるほどの被害を与えてしまいます。

オリーブアナアキゾウムシの被害

 オリーブアナアキゾウムシの幼虫による食害被害は、地際から40㎝までの高さに集中することが多く、穿孔部あら多量の木屑が噴出し堆積します。複数頭が同時に寄生すると、株の枯損に至る場合もあって、生育に著しく影響します。
 被害がひどい場合、春頃から食害されると、夏に根からの水が上がらなくなってしまい、オリーブ全体の葉が萎れはじめ、そのまま枯れてしまいます。オリーブは、夏の乾燥時期のように、ある程度ゆっくりと水分が不足すれば、自ら葉を落葉させて、水の蒸散を抑える対策を取ります。しかし、突然と水分が遮断された場合は、対応ができず、葉をつけたまま枯れてしまいます。オリーブアナアキゾウムシの被害の場合は、突然に萎れて枯れてしまうのも、このようなスピードの速さが関係しているのです。

オリーブアナアキゾウムシへの対処

 オリーブの地際付近の幹の産卵孔の発生を注視し、成虫を捕殺するのが良いですが、なかなか小さな産卵孔を見つけるのは困難です。また、成虫を捕殺するのもよっぽど慣れていないと難しいでしょう。
 まずは、日ごろからオリーブの木を観察して、地際付近に穴があいていないか。木屑は落ちていないかを気にしておきます。もし、穴を見つけたら、その時は薬剤により殺虫してそれ以上食害が広がらないように対処します。
 そもそも穴を空けられたら困ります。5月頃の被害が最も多いことから、その時期にオリーブに殺虫剤を散布するか、地際付近の幹に塗布して、成虫が近寄るのを防ぐ方法もあります。
 農薬を使用する際は、オリーブに登録のある薬剤を使用しましょう。樹種名を入力して登録農薬を検索できるサイトを参考にして下さい。
 農薬登録情報提供システム」農林水産省


 【参考資料】
花木・鑑賞緑化樹木の病害虫診断図鑑 第Ⅱ巻 害虫編 竹内浩二 近岡一郎 堀江博道
一般財団法人農林産業研究所 2020.9.11

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