美しい芝庭は、家の外観を引き立てる重要な要素です。芝生は元々牧草でした。牧草をたくさん持っている家はそれだけの家畜を持っているという証でした。家畜は財産です。つまり、芝生はたくさんの財産を所有しているステータスだったのです。現代においても芝生が憧れの存在であるのは、このような歴史的背景があるのかもしれません。
しかし、芝生を育てるには費用と時間がかかります。また、ある程度の専門知識も必要です。その点が忙しい現代人には懸念され、このことが多くの人々が人工芝を選ぶ理由となっています。現在の人工芝は天然芝に負けない高品質な素材で作られており、見た目も自然で美しいです。天然芝に比べてメンテナンスも簡単です。人工芝のメンテナンスについては、別のブログ「人工芝には手入れが必要ですか?解決策とおすすめのメンテナンス方法」を参考ください。
このように人気の人工芝ですが、もちろんメリットだけでなく、デメリットもあります。メリットについては分かりやすいもののデメリットについては意外に知られていません。そこで、今回は人工芝のメリットとデメリット、そしてデメリットの解消方法を解説していきましょう。
人工芝のメリット
天然芝と比べた時に、人工芝にするメリットはたくさんあります。主なものを挙げてみましょう。
①メンテナンスが圧倒的に少ない
②非常に長持ちする
③施工が早い
④非常に美しい
それでは、それぞれについて解説しましょう。
①メンテナンスが圧倒的に少ない
人工芝はメンテナンスの少なさが最大の魅力として開発されています。当初は見た目があまりよくありませんでしたが、近年の技術革新は素晴らしく、見ても触っても天然芝と見間違えるほどの美しさです。さらにメンテナンスが圧倒的に少ないことで、日本全国で人気が上がっています。詳しくは別のブログ「人工芝には手入れが必要ですか?解決策とおすすめのメンテナンス方法」を参考ください。
②非常に長持ちする
人工芝が一般の庭で使われ始めて15年程度経ちます。当初はどれだけの耐久性があるか明確でなかったり、非常に短い耐用年数が発表されていました。しかし、紫外線防止処置や防菌処置などのさまざまな技術革新がなされ、現在では非常に強い人工芝が多くなりました。サッカー場などの多くの競技施設が人工芝に変わっているのも、強靭で摩擦や踏圧に耐えられる人工芝を作る技術が確立されたからに他なりません。
当社でも10年以上に渡り松江市や出雲市の個人邸に人工芝を施工していますが、これまで耐久性に問題があるという話はありません。もちろん、使用する材料やメーカーによって耐久性がことなりますので、一概に何年使えるということは言えませんが、相対的に非常に長持ちするようになったことは間違いありません。
③施工が早い
天然芝は土壌を作るのに多くの時間を要します。まずは排水からです。排水が悪いと排水工事を行います。つづいて土壌の物理的、化学的、生物的の3点からの見た分析と改良です。育つ土壌環境を作ることがその後の生育を左右するため、土壌には時間とお金がかかります。
その点、人工芝は非常に早いです。下地が安定していれば防草シートを貼って、人工芝を貼り付けます。貼付けは専用のボンドとピンを使います。施工が早いので、すぐに使えますし、施工中の風や雨などの影響を受けにくいです。
④非常に美しい
人工芝は非常に美しです。非常に美しくなったというのが正解です。上述のように技術革新が現在の人工芝をここまで進化させました。また、現在では、色合いや毛の長さなどを選択できるようになりました。緑だけではなくて青や白も販売されています。球場や競技場では色鮮やかな人工芝が使われている場所もあります。また、人工芝の美しさは、芽の長さが自然に整っているように見せている点です。実は整っているわけではなく、不ぞろいです。しかし、天然の芝もそうであるように、遠くから見ると整って見えます。もしこれが、あまりにも整えてあると、むしろ不自然に見えます。より自然に見えるような工夫が芽の長さにもなされています。さらに、近づいてみると、緑の芽の中に茶色の芽が入れてあります。これは、天然芝が新しい緑の芽だけでなく古くなった茶色の芽も共存していることを再現したものです。この点も非常に細かい工夫です。驚くのは、目をつむって人工芝と天然芝の上を裸足であるいても、どちらを歩いているのかわからないことです。見た目だけでなく固さやしなり方など、感触も完成度が非常に高いのです。このように日々進化した結果、現在の人工芝は非常に美しく、天然芝を完璧に再現しています。
人工芝のデメリット
続いて、天然芝と比較した場合の人工芝のデメリットを挙げてみましょう。
①施工時に費用がかかる
②夏は高温になる
③高熱で溶けることがある
④修理が困難
⑤環境への配慮は一考
以上5点の主な項目が挙がりました。それではそれぞれについて対策も合わせて解説していきます。
①施工時に費用がかかる
人工芝は天然芝よりもはるかに高額だと思われています。その理由は、単純に天然芝での施工と人工芝での施工の費用を比べるからです。そうすると数倍高くなるのですから、高額だと思われても仕方ありませんし、実際に一時に沢山の費用が必要となりますので、どうしても負担が多くなります。その点はデメリットでしょう。今後より安いくて良いものが販売されることを願います
ただし、単純にそこだけを比べては本来はいけません。なぜならば、人工芝はメンテナンス費用がほとんどかかりませんが、天然芝は毎年ずっとメンテナンス費用が掛かります。まずは、芝刈り機を要ししなければなりません。そして、肥料も水も必要です。さらに砂を定期的に入れる作業は専門業者に依頼する必要があります。また数年に一度は土壌に空気を入れる作業を要します。天然芝のメンテナンスについては、別のブログ「芝生の庭にした場合の手入れは大変ですか?」を参考ください。つまり、天然芝はランニングコストが人工芝よりも遥かにかかります。よって、トータルで考えると決して人工芝が天然芝よりも高額であるとは言えないのです。
対策としては、検討の際に、ランニングコストも考慮して検討してみましょう。
②夏は高温になる
人工芝はナイロン系のプラスチック素材でできています。よって、夏は高温になります。夏に人工芝が溶けることはこれまでありませんでしたが、裸足で歩くと熱くなりますので、特に小さい子供は要注意です。この点天然芝は高温になりにくいです。水分を含んでいる植物であるので、その点は大きく違います。人工芝の高温への対策は、パラソルなどを設置して日陰をつくることです。また、水を撒いて温度を下げるのもいいでしょう。見た目では高温になっても変わりませんので、夏は高温になることを覚えておきましょう。
③高熱で溶けることあがある
前述したように、日光で溶けることはありませんが、熱々の炭が落ちればその部分は溶けます。最も注意すべきはBBQをする際です。熱い炭を落としてしまったり、熱くなったフライパンを人工芝に置いてしまったり、炭壺を人工芝の上に置いたまま熱々の炭を入れてしまうと、溶けてしまいます。燃え広がることはありませんが、溶けてしまってカチカチになりますので、非常に見た目は悪くなります。歩くと痛いので、取り換えが必要です。
対策としては、BBQをする場所はインターロッキングを敷くなどして、人工芝の上で火を使うことをやめることです。
④修理が困難
天然芝は万一破損したり枯損した場合は、その部分だけ剥ぎ取って、新しい芝を植栽することで再び元通りになります。しかし、人工芝は修理にかなりの技術が必要となります。また、うまく部分的な入れ替えができたとしても、色や芽の向きを周りと同じにするのは難しいでしょう。色あせや経年変化があるからです。数年後にはあまり気にならない程度になるかもしれませんが、基本的に修理が困難なものであることは覚えておきましょう。
⑤環境への配慮は一考
人工芝の素材はプラスチックです。プラスチックだからこそ、美しくて耐久性の高い人工芝を作ることができたのですが、天然芝に比べると、どうしても環境面については今後進化を期待したいところです。太陽光パネル同様に、人工芝もいつかは廃棄する時が来ますが、太陽光パネルのリサイクルが開発されたように、人工芝もリサイクルができるようになれば嬉しいと思うところです。
人工芝は非常に多くのメリットがあります。それゆえ人工芝を庭に利用する方は非常に多くなりました。ただし、デメリットも分かった上で、人工芝を選択するのがいいでしょう。デメリットは意外に知られていないことが多くあります。計画をする時には、専門業者にデメリットの説明も受けるようにしましょう。
外構/エクステリアについて詳しくは【Takezo・ファーム】までお問い合わせください。