庭や玄関周りの美しさを演出する外構工事では、境界ブロックの利用が一般的ですが、果たして本当に必要なのでしょうか?境界ブロックは、庭や玄関周りのエリアを明確に区切り、美しい仕上がりを実現するうえで重要な役割を果たしています。しかしながら、デザインや予算の制約などを考慮すると、必ずしもすべての場合に境界ブロックが必要とはいえません。まずは境界ブロックの役割について見ていきましょう。その上で、境界ブロックの必要性について検討してみましょう。
境界ブロックとは
外構でいう境界ブロックとは、隣地との境界に設置するブロックのことをいいます。境界に設置するブロックという意味ですが、境界といってもさまざまな境界があります。道路と敷地の間も境界ですし、お隣さんとの境も境界です。境界ブロックが設置される境の多くは、隣地との行き来を必要としない場所です。よって、道路と自宅の敷地は跨いで行き来しないといけませんから、そこに境界ブロックを検討することはないでしょう。隣地が身内で庭を共同で使う際にも行き来があるわけですから、境界ブロックを検討する必要はないでしょう。
境界ブロックの検討を要する場所は、隣地との行き来が基本的にしない場所であり、明確に敷地を区別することがお互いのためになる場所となります。多くは、お隣さんとの境です。
それでは、界ブロックが必要と思われる理由は境界ブロックを設置することで得られる効用を見ていきましょう。
境界ブロックの役割
境界ブロックの役割は、いくつかあります。主なものを挙げると以下の通りです。
①境界を明確にする
②行き来きできないようにする
③水の移動を制限する
④落葉など風での移動を制限する
⑤視線を制限する
以上の5点が挙がりました。それぞれについて解説していきましょう。
①境界を明確にする
境界は非常に重要です。どこまでが自宅の敷地で、それは同時にどこまでが隣の敷地かを意味します。日本の法律では、自宅の敷地についての責任はご自分にあります。同時に、税金や安全性の管理責任なども自宅の敷地が明確だからこそとれるわけです。そのように重要な敷地が曖昧であるとトラブルの発生源になりかねません。だからこそ、予め明確にだれでもわかるように敷地境界を明確にしておくことは重要です。
敷地境界は資格を有した専門家の手によって、図面と現地に打たれたピンで明確にされています。しかし、現地ではあまりにも分かりづらいため境界は曖昧になります。古い土地だとピンが見当たらない所も多くあります。境界は境界ブロックにより明確にしておくことで、だれでもいつみても、境界であることが分かります。
このように境界を明確にする役割は境界ブロックにとって最も重要です。また、境界ブロックの計画の際には、予め境界の場所をしっかりと確認して両隣がともに了解して行う必要があります。
②行き来できないようにする
境界ブロックは境界に設置しますが、境界ブロックがなければ、例え紐などで境界が明確になっていても、人が行き来できてしまいます。境界が曖昧になるとトラブルのもとであることは上述しましたが、それは、たとえ明確になっていても物理的に境界を跨ぐことが容易にできるようだと、トラブルが解消されると言えません。境界は物理的に故意に乗り越えなけれれば行き来できないようにしておくことで、初めて境界のトラブル回避の策となり得ます。
境界ブロックは、物理的にブロックを設置して、歩いていくことを妨げます。ブロックの上に境界フェンスを取り付ければ、より一層境界の行き来は妨げられます。基本的に例えお隣さんといっても、黙って敷地に入られるのは嬉しくありません。窓の前を人がうろうろしていると、どうしても人は悪い方向に考えてしまいます。それは、危機に常に備えて安全を第一に考えるよう人類にインプットされているのだから仕方ありません。ボールを追いかけて隣の家の敷地に入ってしまった。このようなことも境界ブロックを設置することである程度妨げられるでしょう。境界フェンスを設置するとかなりの確率で避けられるでしょう。
境界ブロックは、物理的に人の行き来を妨げることで、トラブルや不安を生活から排除して、安心できる暮らしを提供しているのです。
③水の移動を制限する
人の行き来のことは説明した通りですが、隣地のトラブルは人に限ったことではありません。雨水の移動は時として大きなトラブルになります。敷地は常に平らであるとは限りません。隣地が少し高くなっていたり、かなり土が盛られた場合は隣地の段差は大きくなります。その様な時、雨水は高いところから低いところへ流れていきます。本来自分の敷地の中で処理されなければならない雨水が隣の敷地へ流れ込むことになります。雨水は、溜まると非常に厄介です。自分の敷地の水を排水するための排水能力を考えて排水管などの設備が設置されます。しかし、それ以上の水が入り込むと排水が追い付かず水浸しになります。雨のたびに水が流れ込み、大雨の時には長時間に渡り水浸しとなります。その様なことが何カ月も何年も続けばトラブルになりかねません。水が流れ込む原因は境界に水を妨げるものが何もないからです。境界ブロックは、水の移動を制限して、隣地に雨水が流れ込むのを防ぎます。よって、水の移動を制限する役割も重要な役割の一つとして挙げられます。
④落葉など風での移動を制限する
人や水の移動を説明しましが、風で落葉などが移動することも忘れてはいけません。大風の際には、飛んできた落葉もどっかへ行ってしまうかもしれませんが、日ごろの風は落葉やごみを地面を這うようにして運びます。隣地の落ち葉や毎日敷地に舞い込んむと、毎日の掃除が不満に変わります。時には買い物袋などのゴミが庭にあると、気分も害します。ある程度は仕方ないかもしれません。しかし、境界ブロックがあれば、かなり妨げることができます。お互い様お関係は積み重なるとよろしくありません。隣に舞い込んだごみや落ち葉は簡単に取りに行けません。勝手に敷地に入ることになるからです。場所によっては、風の強いところもあります。境界ブロックの高さやフェンスの形状などは、風の影響を考えて設置するのがいいでしょう。
⑤視線を制限する
最後は視線です。視線とは、意図しなかったとしても、目に入ったり、目があったりすることです。通常の住宅の敷地は面積が限られているため、建物を建てると隣家との距離は意外に近いものです。玄関を開けたり、吐出し窓から外を見ると、すぐそこに隣家の窓があって、人の気配を感じるようなことは多々あります。その際に、境界ブロックにフェンスなどを取り付けて目隠しができれば、全く状況は違います。気にせず自由に暮らせるからです。人は自宅での生活に外部からの視線を感じると非常に不安を感じながら生活することとなります。それは、意図せずでも同じことです。声などの音は現在の建築技術では随分と漏れなくなっていますが、視線だけはどうしても建築技術だけでは妨げられません。境界ブロックを目隠しに利用することで、生活空間の快適性が抜群に向上することは、プライベートを重視する現代人の生活にはますます求められることでしょう。
境界ブロックの必要性
境界ブロックの主な役割について説明しました。その上で、境界ブロックの必要性について検討して見ましょう。まず大前提として、境界ブロックの必要性は、人それぞれです。その理由は、境界ブロックの役割を必要としているかどうかによって決まるからです。上述の5つの役割が不要であれば、境界ブロックを設置する利点はなく、コストをかけて設置する必要はないでしょう。逆に上述の5つの役割の内1つでも必要だと感じるのであれば、境界ブロックを設置することで日常生活がより良くなるでしょう。まずは、上述の5つの役割がご自宅に必要かどうかを検討して見ましょう。ただし、主な役割をここでは挙げていますので、5つ以外にも境界ブロックがあることで得られる利点があれば、それは考慮して検討しましょう。
また、境界ブロックは境界にあるわけですから、取付の際にも、隣家に相談しましょう。共同で設置しない場合でも、工事中には隣地を使用することになります。また、境界からどれだけ控えてブロックを設置するべきかについても検討が必要です。専門的なことは設置を計画する段階で専門家に相談しましょう。
境界ブロックは、ご自宅での暮らしがより安全で豊かになるための一つのツールです。境界ブロックの目的は、様々なトラブルや不安から自宅を守るためにあります。このことを念頭に置いて予算や計画についてご家族で検討することをお勧めします。
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