アジサイの花の色は、土壌中の酸度に左右されます。
理科の授業で、酸性とかアルカリ性とかペーハーとか聞いたことがあると思います。リトマス紙を使って実験をしましたよね。
実は、植物栽培にとって土壌の酸度は非常に重要です。なぜならば、土壌が酸性やアルカリ性に傾きすぎると、土壌溶けだす養分少なくなって、植物が養分を根から吸収することができなくなるからです。では、どのくらいの酸度が植物にとっていいのでしょうか。
土中のペーハーに関係している
植物の種類によって多少の違いがありますが、多くは弱酸性です。PHペーハーは数値であらわされ、7が中性(純水)で、1に近づくほど酸性になり、14に近づくほどアルカリ性になります。ですから、弱酸性は5.5~6.5あたりの数字ですね。
日本は雨が多いですが、雨は空気中の二酸化炭素を含んでいるため、酸性に傾いています。近年では、さらに大気汚染物質を含むことで強い酸性となり、酸性雨と呼ばれていますね。
つまり、日本の土壌は放っておくと酸性に傾いていきます。
よく畑に石灰をまいているのを見かけますが、これは、畑にアルカリ性の石灰を混ぜて酸性に傾いた土壌を中和して、土壌の酸度を調整しているのです。
アジサイとアルミニウムの関係
さて、ここからアジサイの話になりますが、アジサイは土壌の酸度に反応して花の色が変わるという特殊な性質を持っています。
具体的には、土壌が酸性だと青色の花に、アルカリ性だと赤色の花になります。リトマス紙とは、逆の色ですね。
これは、アジサイの花が土壌中のアルミニウムに反応すると青くなるという性質があるからです。つまり、土壌が酸性になると土壌中のアルミニウムが溶けだしてアジサイが吸収しやすくなることで、花が青くなる。土壌がアルカリ性になると土壌中のアルミニウムが溶け出しにくくなり、アジサイが吸収できないので、花が赤くなる。
土壌の酸度を変えたい場合は、土壌改良材を使います。アルカリ性を酸性にする場合は、ピートモスがおススメです。ピートモスは酸度が調整されているものがありますが、使用する際は酸度が調整されていないものを使います。逆に酸性からアルカリ性にする場合は、石灰がおススメです。
アジサイの中には、色が固定されている品種もあります。そのような品種の場合は、土の酸度が変わっても花色は変わりません。
出雲や松江、大田、雲南では、アジサイに生育環境に適しているため、アジサイが育ちやすい場所です。公園で沢山のアジサイの花が咲いているのを見かけることもよくあります。アジサイの色に注目して見ると、新たな発見があるかもしれませんね。
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