庭木に必要な年間管理作業とは

 自宅の庭を維持するためには、庭木の手入れが不可欠です。しかし、多くの人々にとって、適切な手入れ方法はわかりにくいものです。庭木の手入れは定期的に行うことが重要です。剪定や肥料の施肥など、適切なタイミングで行うことで、庭木は健やかに生長し、美しい姿を保つことができます。また、適切な水やりや害虫対策も忘れずに行うことが必要です。
 さらに、庭木の年間管理作業には、季節ごとに異なる作業があります。例えば、冬期には新芽の生長を促すための施肥が必要ですし、秋には落ち葉の掃除や防寒対策が必要です。
 そこで、庭木の健全に管理するための年間管理作業について解説していきましょう。

剪定作業

 剪定作業とは、伸びた枝を切り戻したり、枯れた枝を切除する作業の事です。剪定作業の目的はいくつかありますが、主に以下の通りです。
 ①庭木を美しい形に整える
 ②庭木の密度を調整し、光と風の通る環境にする
 ③将来の理想の樹形に向けて枝を育てる
 ④病気や害虫被害個所を切除する
 ⑤花や実の付きを促す

 剪定作業は目的や樹種別に季節ややり方が違いますが、特段のこだわりがなければ同時期に行う事も可能です。大切なのは毎年定期的に行う事です。数年に一度ですると、庭木に大きな負担がかかることや、日陰になって枝が欠落してしまうことになりかねません。また、風通しが悪くなると病気の原因となることもあります。剪定作業は庭木を長く美しく維持管理するための必須の作業です。剪定作業を継続して、庭木の健康を管理しましょう。
 剪定については、他のブログ「剪定は年何回必要ですか?」「庭木の剪定時期はいつが一番いいですか?」をご参考ください。

害虫駆除作業

 庭木にはそれぞれ特有の害虫が発生します。害虫というのは庭木の生長を妨げる虫のことです。逆に受粉を促進するなど庭木の取って有益な虫は益虫と呼ばれます。
 害虫は、葉を食べる虫や蕾や実を食べる虫、幹に直接入って中を食い荒らす虫など様々です。しかし、樹種によって食害する虫の種類は決まっています。中にはなんでも食害するミノムシのようなものもありますが、決まった虫が決まった樹種に食害することから、その時期も決まっています。つまり、樹種ごとに害虫への対策を変える必要があります。
 しかし、大枠で考えると、春に暖かくなってくると新芽が吹きます。そして、越冬した卵や蛹は春に成虫となって食べ物を探して動き回ります。そうなると、春4月~5月には害虫による葉の食害が増えてきます。よって、春の時期に予防が必要になります。
 害虫は、一旦被害にあってしまい、そのまま放っておくと、たくさんの卵を産み付けて、翌年何十倍もの成虫が発生します。そして、再び同じ庭木を食害します。よって、毎年ひどくなるのが特徴です。一回葉を食べられても、すぐに枯死するということは稀ですが、毎年何度も食害されるとさすがに庭木も衰弱してしまいます。美しく元気で育ってもらうには、害虫への対策は必須になります。
 害虫の事例として、他のブログ「サンゴジュの葉に小さな穴が、病気ですか?」「松の葉が凄く少ないですが、何が原因ですか?」「根元におがくずが出てますが、放っておいて大丈夫?」がありますので、ご参考ください。

施肥作業

 庭木は生き物ですから、人間と同様に栄養分を取り込んでそれを生きる糧としています。庭木の栄養分は葉でつくられるブドウ糖と、根から吸い上げる無機養分の2つです。葉での光合成は光と水が供給されることで可能となりますが、土壌から吸い上げる無機養分は、土壌に養分がなければ供給されません。森林ならばサイクルが整っているので自動的に供給される仕組みですが、庭木では施肥をすることで養分を供給します。
 また、施肥作業には、単に土壌に栄養分を投入する目的のほか、土壌に酸素を供給したり、土壌微生物の繁殖を促進するなどの目的もあります。施肥についての詳しい効果については、別のブログ「施肥はなんのためにするのですか?」「庭木にはどんな栄養分が必要ですか?」をご参考ください。
 施肥作業は、時期により投入する肥料の種類が異なりますが、最も重要なのは冬期に行う寒肥です。寒肥は毎年行う事で施肥の効果を最大限活用できます。また、人間が長生きするには食が重要なように、庭木が長く健康に生長するためにも、施肥は非常に重要な作業となります。

殺菌作業

 庭木に損害を与えるのは害虫だけではありません。菌類による病気もたくさんの種類があり、罹病すると庭木が衰退するにとどまらず、枯死の原因にもなります。菌類で分かりやすいのは、キノコが出た時です。他には葉に斑点ができたり、粉を吹いたりといった症状が現れます。その様な症状を病徴といいます。病徴の状態により、どの種類の菌類が原因であるかの特定ができます。
 菌類は放っておくと、胞子により次々と広がっていきます。菌類は殺菌処理をしても、葉は元に戻りません。よって、元通りになるのには時間がかかります。よって、広がる前に殺菌剤を散布して殺菌しましょう。
 菌類は、風通しが悪かったり陽当りが悪かったりすると広がりやすくなります。よって、上述の剪定を欠かさないようにして、まずは菌類による病気を生みにくい環境にしましょう。万一菌類の病気になった場合は、一刻も早く殺菌処理をして、元の元気な姿になるように手助けしましょう。
 菌類の病気に関して、他のブログ「フェイジョアの葉に茶色の斑点が、これって病気?」「樹にサルノコシカケがあるけど問題はない?」がありますので、ご参考ください。

その他の作業

 そのほかに、暑い夏には散水して水分補給したり、草が茂れば草抜きをしたりといった作業も必要に応じて行いましょう。また、庭木ではありませんが、庭によく使われる植物として芝生があります。芝生は特殊な作業がりますので、他のブログ「芝生の庭にした場合の手入れは大変ですか?」をご参考ください。


 庭木管理の作業をご紹介しました。剪定や施肥については比較的想像がつきやすいですが、害虫や病気になるとかなり専門的で難しかったかもしれません。庭木の情報も少ないこともありますので、庭木の維持管理に不明な点や問題点があればお近くの専門家に相談するのがいいでしょう。
 ご自宅の庭木の特徴を一度理解すれば、同じような症状が毎回出ますので、上手に対処ができるでしょう。

庭木の維持管理について詳しくは【サッパリーズ】までお問い合わせください。

サッパリーズ

庭木の樹勢診断について詳しくは【タケダ樹木クリニック】までお問い合わせください。

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